公正証書にしておくべき5つの理由を行政書士が解説
離婚は、人生の大きな転機です。
感情的なやりとりやストレスも多く、「とにかく早く終わらせたい」と思うかもしれません。
しかし、離婚後のトラブルを防ぐためには、“協議書”という形で取り決めを残しておくことが極めて重要です。
そして、それを公正証書にしておくことで法的な効力を持たせることができます。
今回は、行政書士の視点から「なぜ離婚協議書を作成し、公正証書にしておくべきなのか?」について、わかりやすく解説します。
■ 離婚協議書とは?
離婚協議書とは、離婚する夫婦が話し合って決めた内容を文書にしたものです。
たとえば、以下のような取り決めを記載します:
- 慰謝料を支払うかどうか、金額・支払い方法
- 養育費の金額、支払期間、振込方法
- 親権者、面会交流の頻度や方法
- 財産分与(住宅・預貯金・保険など)
この書面は「当事者間の合意を証明する証拠」になります。
しかし、協議書が単なる私文書(夫婦の間で交わしただけ)である場合は、強制力がありません。
だからこそ、「公正証書」という形にしておくことが強く推奨されるのです。
■ 公正証書にしておくべき5つの理由
① 養育費や慰謝料の「強制執行」が可能になる
公正証書には「強制執行認諾文言(※)」を入れることができます。
これにより、相手が約束を破って養育費や慰謝料を支払わなくなったとき、裁判をせずに給料や口座を差し押さえることが可能になります。
※「支払いがなければ強制執行に服します」と書くことで、執行力を持つようになる。
② トラブル時の「証拠」として圧倒的に強い
口約束やLINEのやりとり、単なる協議書では、法的な証拠としては不十分な場合があります。
しかし公正証書は公証人(法律の専門家)が関与し、法律に基づいて作成するため、裁判所でも確実な証拠として扱われます。
③ 将来の「言った・言わない」トラブルを防げる
離婚直後はお互い納得したつもりでも、数年後に「そんな話はしていない」と主張されることがあります。
公正証書があれば、後から内容を覆すことはほぼ不可能です。合意の内容を明文化し、冷静な状態で確認できる点も重要です。
④ 子どもを守る「養育費」の支払いが継続しやすくなる
養育費の不払いは、日本でも深刻な問題です。
厚生労働省の調査によると、養育費の取り決めをした家庭のうち、実際に継続して受け取っているのは約25%程度。
公正証書があることで、「支払い義務が明確になる」「未払い時に差し押さえが可能」になるため、支払い継続への抑止力が大きく違います。
⑤ 作成は専門家のサポートで安心・確実
公正証書の作成には、公証役場での手続きや、文面の法的整合性が求められます。
行政書士に依頼すれば、内容の相談・原案作成・公証人とのやりとり・予約調整などもすべて任せることができ、スムーズかつ安心です。
■ まとめ|将来のために、今しっかりと準備を
離婚協議書を公正証書にしておくことは、**「自分のため」でもあり、「子どもの未来を守るため」**でもあります。
相手を信用している・仲良く別れた、というケースでも、「将来の生活が変わること」を見越して備えておくことが大切です。
当事務所では、離婚協議書の原案作成から公証役場の手続きまで、すべてサポート可能です。
ご相談は完全予約制・秘密厳守ですので、お気軽にお問い合わせください。